川合治義つれづれのブログpart2

関市の市民活動家の日々

激流に流される前に

古関裕而の苦悶

 ノーベル平和賞が決まりました。隣国ノルウェー政府が授与の主体だそうです。スエーデンとの戦争の仲直りの記念だそうです。写真の西アフリカの内陸国ブルキナファソへは、かつて私の塾でも募金を集めて、井戸掘りの資金として贈ったことがあります。

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 今週のNHK『エール』は主人公の裕一の、積極的な戦争賛美の作曲家としての姿を如実に描きました。周りの人たちはそんな裕一を真正面から、あるいは婉曲に批判します。ドラマの演出とはいえ、古関裕而が戦争に協力した程度があからさまです。

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 大ヒット曲『若鷲の歌』の仕上げのために裕一は予科練の合宿所で寝泊まりします。文民が軍の施設で便宜を図ってもらうなどということは、自らを抜き差しならない泥沼にはめることです!ここにもその自殺行為を自ら進んで要請した裕一がありました。

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何でもない会話に真実が浮き上がります。

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この脚本・台詞、かなり踏み込んでいます。実際はこれ以上だったと容易に想像できます。

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音(おと)は戦争の真実を告げられていました。

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音の妹の夫になれた、裕一のもとの弟子が改まって意見します。

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五郎さんの迫真の演技!

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 五郎さんのことばに裕一の対応はくーるです。当時の日本国民の標準的な考え方だったのでしょうか!? すでに戦局が不利なことはかなり多くの知識人には知れ渡っていたはずです。

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『その兵士たちの背中を押し、戦地へ赴かせる曲を作るのが御国のためだ』と言っているようなものです。五郎さんはキリスト教徒としての信念から訴えています。このような発言は当時は治安維持法違反として特高につかまり、非国民・あかとして見せしめにされる内容です。ドラマの舞台の10年以上前には組織的に戦争反対を訴えた共産党は弾圧されて地下にもぐり、この頃には良識ある学者、僧侶等の宗教者、学校の先生などが婉曲に戦争を批判しただけで非国民・あかとして検挙され、さらし者にされました。良心の呵責に耐えかねて自殺した人々も少なくなかったようです。

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 無駄死にさせられている前線兵士の惨状を全く知らない?! 裕一はここで完全に軍人と変わらない戦争の推進者になっています。このドラマ、来週の裕一はどんなことになるのでしょうか?このセリフが脳裏によみがえり、胸に突き刺さるはずです。

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妻の音(おと)の音楽教室の生徒が予科練に合格し、去っていきます。『たくさんの敵を撃ち落してくるよ。』という考えもプロパガンダ映画『若鷲の歌』の言わせたセリフでした。子供の心に『軍人精神』叩き込む、ヒトラーユーゲントと同じです。戦争はまず心の中に植え込まれるのです。

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華(はな)はドロップの最後の一粒をもらい、見送るしかありません。

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 愛知大学卒業論文で私のテーマは『産業報国会』でした。労働組合が戦争遂行に起きな役を担うことを自ら買って出た組織でした。音楽の世界でも戦争への加担が組織されていたんですね!

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『鉄砲を撃たないお父さんが派遣されるところだから危なくなんてないよ!』と娘の華(はな)に気休めを言って出発した裕一ですが、来週は地獄を見ることになります。

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 自民党の総裁選挙では石破茂が大変な包囲網の中で苦しみました。安倍、菅首相の『異を唱える者は許さない、出て行ってもらう!』という、コンプレックスから来ると思われる異常な政治手法はまさにファシズムです。そのくせ表だって論理的に説得できないのは自覚しているので裏に隠れてこそこそやる小心者、卑怯者。

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中日新聞が今や、朝日に変わるクオリティペーパーです。これなしには世の中の危険な動きがよく分からない。『戦争反対、平和な支え合いの世の中を!』と堂々と言えるうちにファシズムの台頭を止めないと、80年まえのような、重苦しい世の中に逆戻りです。日本学術会議の事件はその前兆だと言えます。激流に流される前に、堤防を守らなくてはなりません。

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